私が助産院での出産を希望したのは、自然なお産を経験したい気持ちからでした。最初にかかった産婦人科では子宮筋腫があることと高齢出産(出産時42才)のリスクがあると言われ系列の大学病院を勧められました。それでも私も自分の力で産むことができるのではないかという気持ちが強く、大森助産院にご相談にうかがいました。
問診が終わり加藤さんが「大丈夫。産めますよ。」と言ってくださった時、とても心強く感じて、「そうだ、私も大丈夫なんだ」と不安が小さくなったのを覚えています。この方と一緒にお産をしようと決めました。
それから出産までの8ヶ月間、検診の度に体調の不安を聞いてもらったり、食養生のこと体のケアなどを教えていただき、何気ない会話をする中で加藤さんとの関係を作っていったことで、ますますお産に対する不安が無くなっていった様に思います。
いよいよ出産を迎えた時も、夜中に始まった腰と足の付け根の痛みを陣痛と思わず過ごしていたり、痛みと痛みの合間に寝てしまったりと不安感をあまり感じずにいられたことに自分でも驚きました。日赤に入ってからも順調に進行しそうだったのですが、仕事の都合でどうしても主人と連絡がつかないことが気になっていました。子供の誕生を家族揃って迎えることが私の強い希望だったので、お腹の赤ちゃんに「お父さんのこと待っていようね」とお願いしてました。
すると、陣痛が弱くなり一旦休憩みたいになってしまい、これほど体と心が繋がっているのかと自分のことながら感心しました。加藤先生も私の気持ちを察して必要以上にお産をせかさずに待ってくれたのが嬉しかったです。
ようやく主人と連絡が取れて分娩室に来てくれてからは、一気にお産が進みました。主人につかまる立て膝の姿勢がとても良くて、初めての家族の協同作業のようにいきむことが出来ました。母に手を握ってもらい、義母に背中をさすってもらい、主人に支えられ、加藤さんがどっしりと私を受け止めてくれていて、苦しさの中にも精神的な安心感で一杯のお産だったと思います。そして無事に産まれてきてくれた赤ちゃんには「一緒に頑張ったね。ありがとう」という気持ちでいっぱいでした。
自分の中から命が産まれて来るという奇跡の様な体験が出来たこと、お産に向かって体が変化していったことを感じられたこと、その場にいた皆さんが赤ちゃんが産まれる為に努力してくださったこと・・思い出しては温かで幸せな気持ちで一杯になります。ありがとうございました。